2014年7月26日土曜日

Golang Cafe #39を開催しました。

Golang Cafe #39を開催しました。

今回も前回に引き続き、Gorilla Toolkitのパッケージを使ってみる会になりました。

使ったのは、gorilla/contextgorilla/sessionsの2つですが、どちらも単純な機能を提供しています。

gorilla/contextの方は、任意の値をcontextに保存しておくだけです。非常に機能が少ないのでサンプルコードの提示も難しいのですが、以下のように使うことができます。

package main

import (
 "fmt"
 "log"
 "net/http"
 "strings"

 "github.com/gorilla/mux"
 "github.com/gorilla/context"

)

func main() {
 r := mux.NewRouter()


 r.HandleFunc("/", IndexHandler)

 log.Fatal(http.ListenAndServe(":8080", r))

}

func IndexHandler(w http.ResponseWriter, r *http.Request) {
 for _, param := range strings.Split(r.URL.RawQuery, "&") {
  params := strings.Split(param, "=")
  context.Set(r, params[0], params[1])
 }

 fmt.Fprintf(w, "IndexHandler\n")
 fmt.Fprintf(w, "hoge = %s\n", context.Get(r, "hoge"))
 fmt.Fprintf(w, "fuga = %s\n", context.Get(r, "fuga"))
}

context.Set(http.Request, キー、値);でリクエストが生きている間はキーと値のペアによって保存されます。非常に単純ですが、パラメータを解析した後、contextの中に保存するなどすれば、便利に使えるのか?と考えていましたが、どうやら、gorillaの他のパッケージの内部で使われているようです。単体で使ったりすることがあるかどうかは、当日の話では出なかったと思います。

次に、gorilla/sessionsを使ってみました。
sessionsを使うポイントは、パッケージ変数にsessions.NewCookieStore()で新しく確保する変数を定義しておきます。
この定義した変数内にsessionの値が保存されることになります。

package main

import (
 "fmt"
 "log"
 "net/http"

 "github.com/gorilla/mux"
 "github.com/gorilla/sessions"

)

func main() {
 r := mux.NewRouter()


 r.HandleFunc("/", IndexHandler)
 r.HandleFunc("/session", SessionHandler)

 log.Fatal(http.ListenAndServe(":8080", r))

}

var store = sessions.NewCookieStore([]byte("something-very-secret"))

func IndexHandler(w http.ResponseWriter, r *http.Request) {
 session, _ := store.Get(r, "mysession")

 session.Values["hoge"] = "1"
 session.Values[2] = 2

 session.Save(r, w)

 fmt.Fprintf(w, "IndexHandler\n")
}

func SessionHandler(w http.ResponseWriter, r *http.Request) {
 session, _ := store.Get(r, "mysession")

 fmt.Println(session)

 hoge := session.Values["hoge"]
 val := session.Values[2]

 session.Values["hoge"] = "session"
 session.Values[2] = 5

 session.Save(r, w)

 fmt.Fprintf(w, "SessionHandler [%s] [%d]\n", hoge, val)

}

動きとしては、sessionの動きと同じだったのですが、
なぜか、

  • サーバを再起動してもsessionが残っている
  • Chromeを閉じてもSessionの値が残っている

という現象に遭遇して、原因を特定する作業に没頭しました。
シークレット・ウインドウを使った場合は、ブラウザを閉じるとsessionは無くなっていました。(Windowsの場合は、シークレット・ウインドウを閉じても残っているということでしたが、環境なのか、設定なのかは特定できていません)

実際、ChromeのDevToolでCookieの中身を確認すると、session IDだけが保存されているかと思っていたら、データがかなり多く、どうやら、Cookieの中に全てのデータが保存されているようです。確かに、GAEなどのように複数のインスタンスが起動するような時に、サーバ側のメモリにのみ保存しておくと、別のインスタンスにリクエストが送られてしまった時に困るのでこういう実装になっているのだろうと考えていました。

が、Cookieのデータは4KBまでという制約があるので、Sessionに何でもかんでも入れておけば良いという考えはやめておきましょう。

次回も、Gorilla Toolkitの残りのパッケージ(reverse、rpc、schema、securecookie)を読み進めます。

2014年7月18日金曜日

Golang Cafe #38を開催しました。

Golang Cafe #38を開催しました。今回からGoのフレームワークを触ってみるというテーマにするということにしました。最初はgorilla toolkitを使ってみようということで、今回は、gorilla/muxを使いました。

gorilla/muxは主にURLからのroutingをサポートします。標準パッケージ(net/http)と同じように使えるので、薄いラッパーのようにも見えますが、強力な機能を持っているようなので、実際に自分のアプリケーションに利用してみようと思っています。

gorillaの使い方ですが、まず、Handlerを登録しておきます。

 r := mux.NewRouter()

 // RouterにHandlerを登録する。
 // 正規表現に一致しないURLは全て404になる。
 // 末尾に"/"をつけると、付けないと404になる。
 // Host()を使うとアクセス制限ができる。
 r.HandleFunc("/", IndexHandler).Host("www.sample.com")
 r.HandleFunc("/articles/{category}/", ArticleHandler).Methods("POST")
 r.HandleFunc("/articles/{category}/{id:[0-9]+}", ArticleHandler)

 r.NotFoundHandler = http.HandlerFunc(NotFound)

 log.Fatal(http.ListenAndServe(":8080", r))

ここで、http.HandleFunc()を使うのではなく、mux.NewRouter()を呼び出した戻り値のRouter#HandleFunc()を呼び出すのがポイントになります。
muxパッケージを介することで、gorilla toolkitでHandlerを認識することができるようになります。

引数は、http.HandleFunc()と同じなので省略しますが、指定するパスは拡張されていて、正規表現を入れることもできますし、{}で囲んでキーを指定することで、プログラムから指定されたパスの値を取得する事ができるようになります。

コメントにもありますが、Handlerに登録されていないパスのリクエストは全て404が返されます。
(これについては、私は400を返すものと思っていたので404を返す方が良いというのを聞いて新しい発見でした。400だと、存在している事を教えてしまうから、攻撃対象になるということでした。)

最後に、mux.Routerをhttp.ListenAndServe()の引数に指定することで、Routingの設定は完了です。
(GAE/Goだと、http.Handle()の引数に指定すれば同じように反映させる事ができます)

Routing時に登録したキーを取得するためには、mux.Vars()を呼び出します。
戻り値には、map[string] stringが返ってくるので、文字として扱えばPath内にある、キーの値を取得する事ができます。

次に挑戦したのが、NotFoundを返す時にログを出力するというのができるかどうかを試してみました。NotFoundを返すのは良いのですが、アクセスログぐらいは残せた方が便利だという理由からです。

方法は、ソースコードのr.NotFoundHandlerのHandlerを上書きすることで可能になるようです。ただし、上書きしたHandlerの中で、NotFoundのレスポンスを返すように処理を記述しなければいけません。

次回は、gorilla toolkitのcontextとsessionsを見る予定です。

2014年7月12日土曜日

Golang Cafe #37を開催しました。

Golang Cafe #37を開催しました。

今回は、Gmail APIをGoで実行するというテーマで進めました。
OAuth2の認証が必要だったので、#18のサンプルコードを見ながら実行するというアプローチをとりました。

goauth2パッケージは結構便利に使えるので良いですね。

リクエストを送信する所は、以前と同じなので、省略するとして、受信後にデータを展開する所は、レスポンスがjson文字列なので、encoding/jsonを使って、Unmarshal()をすればオブジェクトに復元できます。

最初にUsers.messages.listにリクエストを投げました。これは、Gmailのメールのリストが返ってきますが、本文は含まれていません。

    // Users.messages.listにアクセス
    r, err := transport.Client().Get(request_url)
    if err != nil {
        fmt.Println("Get: ", err)
        return
    }

    defer r.Body.Close()

    buf := bytes.Buffer{}
    if _, err = buf.ReadFrom(r.Body); err != nil {
     log.Fatalln(err)
    }

    if err = json.Unmarshal(buf.Bytes(), &l); err != nil {
     fmt.Println(buf.String())
     log.Fatalln(err)
    }

goauth2のtransportから戻ってくるのはio.Readerなので、bytes.Bufferにでもコピーして書き出さないとUnmarshal()に渡す事ができないので、一つ処理を入れています。

jsonをオブジェクトに変換した後は、もう一度、Users.messages.getにリクエストを投げて、詳細を取得しました。

    // Users.messages.getにアクセス。(最初の1件目)
 r2, err := transport.Client().Get(message_get_url + l.Messages[0].Id)
 if err != nil {
        fmt.Println("Get: ", err)
        return
 }

    // // Write the response to standard output.
    // io.Copy(os.Stdout, r2.Body)

    buf2 := bytes.Buffer{}
    if _, err = buf2.ReadFrom(r2.Body); err != nil {
     log.Fatalln(err)
    }

    if err = json.Unmarshal(buf2.Bytes(), &t); err != nil {
     fmt.Println(buf2.String())
     log.Fatalln(err)
    }

これで、中身が取得できたのですが、本文がBase64エンコードでエンコードされた状態だったので、復元しないといけなかったのですが、復元には至らず。ここで終了。

それでも、後日時間を取って、粘ってみたら、Base64.Stdencodingを使っていたのを、Base64.URLencodingを使えば本文が読めるようになるというのを+Takanobu Haginoさんが見つけていたので、それを適用して本文が読めるようになりました。
    // 本文をエンコードする場合はURLEncodingを使う。
    data, encerr := base64.URLEncoding.DecodeString(string(t.Payload.Body.Data))
    if encerr != nil {
        // fmt.Println("base64", t.Payload.Body.Data[190])
        log.Fatalln(encerr)
    }

あと、q=is:unreadをつけてリクエストを送信したりしたものがありますが、今は時間がないので、あとで、githubに上げておこうと思います。


2014年7月5日土曜日

Golang Cafe #36を開催しました。

Golang Cafe #36を開催しました。

今回は、Google I/O 2014以降公開された動画を見る予定だったのですが、セッションが無い事に気がついていたのですが、いろんな動画が公開されていたので、1個ぐらいはGoの動画があるかと思ったのですが、(DevByteあたりのやつが…)残念ながら全くなかったので、仕方なく、Codelabに一つだけGo関連のものがあったので、Go:Build a Backend on Google App Engineを進めることにしました。

Codelabの内容はGAE/Goのチュートリアルだったので、#34の時にやった公式のチュートリアルと内容が被ってしまったのですが、このCodelabでは、gorillaフレームワークを使ったルーティングの実装があったので、その点が新しいものでした。

あとは、jsonを返すAPIを実装して、クライアント側はAngularJSを使ったAjaxでのやり取りを作り上げるという内容になっていました。

いろいろ説明しつつゆっくり進めたので、今回はStep03まで進めて終了となりました。

WindowsでのGAE/Gの開発はまだまだ苦しいのかなー。と思わされる事例も出てきて、ためになりました。

さて、今後暑い季節がやってきますが、もうすぐ40回目(と言っても、順調にいってまだ1ヶ月先)ですが、いろんな資料を読み進めるというのはだいぶやってきたので、
次回は、GoでGmail APIを実行する。ということになっていますが、以降の数回は、独断と偏見で、Goのいろんなフレームワークを使ってみるというのにしたいと思います。

個人的には、Effective Goをしっかり読んでみたりしたいと思ったりするのですが、
それよりも先に、ここ最近でいろんなフレームワークが開発されてリリースされているのでGopherの端くれとして、一度は触ってみないといけないだろうと思っています。

Pure Goも良いですが、そろそろ幅を広げてみるというのも必要かな…?と思ってみたり。

ということで、明日は、#37で、GoでGmail APIを実行する回です。
恐らく、参加者の皆さんはすでにダウンロード済みだと思いますが、goauth2をダウンロードしておいて下さい。コマンドは

go get code.google.com/p/goauth2/oauth

です。

google-go-api-clientも存在していますが、これだと多分まだ実行できないのではないかと思われるので、少し中身を見るかどうかはまた考えましょう。